あたりを見回す。 リビングは昨日と変わらず静かで薄暗く、そして何もかもが散乱している。 ……特に変化はない。 ふと目をやった先に大きなブランケットが丸くなって散らかった物に混じっていた。 ゆっくりそれに近づいてみる。 しゃがみこんで覗くとブランケットのなかにはどこか遠く一点を見つめる莉香がくるまっていた。 「……何やってんだよ」 深い安堵のため息をつくと莉香は目だけをこちらにむけた。