「お帰りなさい。潤くん」 リビングのドアをあけると、莉香の母親……真由子さんは笑顔で迎えてくれた。 「こんばんはっす」 予想通りテーブルには豪勢な食事がところ狭しと並んでいる。 俺は席に座り、レタスを丁寧に洗う真由子さんの背中を眺めた。 薄く繊細な後ろ姿が水槽を見つめる莉香の背中と重なる。 「さぁ、サラダができたわ。あとは祐一さんが帰ってくるだけね」 みずみずしいサラダを真っ白な皿に盛りつけてテーブルの上に置いた真由子さんの顔は楽しそうだ。