バシャーンと小さな水しぶきをあげて、ゆっくりと水面が波紋する。 「莉…莉香?!?」 俺は慌てて川へと駆け寄った。 莉香は水をしたたらせて、俯いたまま動こうとしない。 「……誰にも気に留めてもらえなくなったら、それって消えることと一緒だよね」 ぽつりと莉香の口からこぼれ落ちた言葉が、俺の心に落下して大きな波紋が生まれた。