「なんか遠足みたいだなー」 俺が笑いながら言うと莉香が水面から視線をはずして俺の顔をみた。 「遠足?」 そう。ちょっと歩いてビニルシートなんか敷いてさ」 「……」 莉香はまた視線を水面に戻した。 「あれ?もしかして遠足いったことない?」 「……ある。1回だけ」 風にふきとばされそうなほどの小さな声だった。