─Quality of love─

そんな感じで俺は莉香の散歩についていくことになった。

断ろうと思えばいつでも断れたのだが気がつけば莉香の後を歩いていた。
またこのパターンだ。


莉香はずんずん進んでいく。
行き先も分からない俺は莉香のか細い背中をぼんやり眺めながら後ろからのろのろ歩いた。

変わらない数メートルの距離。


公園を横切って

大きな坂道を登って

川沿いを歩いて



ただ黙って。

同じスペースで。