突然、莉香は俺の腕からするりと抜けていき何事もなかったかのように中へはいっていく。 俺も慌てて追いかけた。 「どうしたんだよ?」 莉香は無造作に転がっていた赤い布地の斜め掛け鞄をかけて、散らかる部屋を散策しながら何やら色々と詰め込みだした。 クロゼーットからビニルシートを引っ張りだしたり 冷蔵庫をあけたり…… 「……ほんとに何してんの?」