「消えるのよ」 「どうやって?証明してみろよ」 人間が消えるわけないじゃないか。 怪奇現象じゃあるまいし。 遊ばれてるのか?俺。 からかい半分イラだち半分で俺がそう言った瞬間、莉香がこちらを見た。 ガラスのように冷たくて綺麗な目で。 「……いいわよ」 莉香は低くぽつりと呟くと、ゆっくり立ち上がった。 そしてベランダの扉をあけた。