あのじめじめとした梅雨は、暗くつらかった影とともに過ぎた。
制服も夏服に変わり、白が主体なので明るく見える。

いつも通り、2人で登校・・・
と思いきや日向がむかえに行ったときにはすでに鈴夏の家から鈴夏と太陽が出てきた。

「おいっなんで、太陽が出てくんの!!」

「あ!!日向君、おはよぉー。」
「おはよう…」

太陽が一回ふっと笑って低めの声で何事もないように言った。

「鈴夏、おはよっっ★・・・太陽、おはよ。」

日向は素早く太陽の耳のそばに来て言った。

「おいっ、どういうつもりだ。鈴夏は俺のだ!!」

すると、太陽は無表情で言う。

「…鈴夏はものじゃないし、俺のそばのほうが安全だと思ったから…。」
「う゛…、モノとか言ってねぇーよっ。」

思わず大きい声が出て、鈴夏がビクっとした。