ある日、学校で起こってしまったのだ。恐れいたことが・・・。
放課後、学校の階段を日向と一緒に歩いているとき鈴夏は、階段から落ちたのだ。
鈴夏は、めまいがした。目の前が揺れて、真っ暗になった。

(あれ・・・)

落ちているという感覚さえもわからなくなる。
感じるのはまぶたの重さと日向の自分の名前を呼ぶ声だけ…

「鈴夏ぁっ!!」

最後に見えたのは、目の前にさしだした大きな日向の手…

静かな保健室に、日向の声だけが響く。

「おい、鈴夏、鈴夏!目をあけろよ・・・」

鈴夏は、貧血で倒れたのだった。けがは軽い捻挫だけで済んだ。
しかし、鈴夏の体は、ストレスだけでなく、栄養不足、睡眠不足にもなっていたのだった。
日向は、ゆっくりと壁に寄り掛かっている男に近づき、足をとめた。