「遅れてごめんな……」 シュル…シュル……… 手足の紐を解きながら、申し訳なさそうに和紀が呟いた。 「今日……、なんで怒ってたんだよ?」 あ、すっかり忘れてた…。 ――――それは…。 「あんたが曖昧な態度とるからだよ」 私の代わりに、那波がこたえてくれた。 「俺、なんかしたのか!!?」 和紀がオロオロと慌てはじめる。