「その気?」

「私をまたあなたを好きにさせてみなさい。あの時みたいにあなたが私を惚れさせたらなんでもしてあげる」

そう言って蓮は口の端を少しだけ上げて見せた。

「どうする?」

そういわれるて、頷くしかなかった。

「分かったやるよ」

「頑張ってね」

蓮は顔をグッと近づけて、囁くように言うと部屋から出て行った。

蓮の残り香を感じながら密かに拳を握った。