「ねぇねぇお祭りあるんだって、一緒に行こうよ」

腕に絡みついてくる風音にオレはついにキレた。

腕を振りほどいて、風音の身体を突き飛ばした。

「うるせぇなっ!何なんだてめぇは!オレはお前みたいな変人は大嫌いだっ!んなに祭りに行きたいなら出会い系でもなんでも引っ掛けて行けば良いだろ」


自分でも驚く程に低い声だった。

風音の顔がどんどん色を失って行く、それ程にオレの目は軽蔑する目で見ていた。

「オレには好きな女がいる。二度と付き纏うな」


そう吐き捨て、その場を去った。

人前で、女子を突き飛ばしたことには罪悪感があったが、オレはもう我慢の限界だった。


祭りにはいつもの仲間と彩乃と行った。

彩乃は幼なじみでオレが惚れている女だ。

風音と違っておしとやかで清楚という言葉がよく合う女だった。

だからといって、風音がおしとやかだろうが好きになるはずはない。