「余計なことを」

風音がぼそりと呟いたのがみえた。

「親からもらったもんを隠してるのがおかしいだろ。早く取れ」

風音は面倒臭いという顔で、自分の髪を引いた。

体育館中が息を飲んだのが分かった。

セミロングの黒髪が長い金髪に変わった。

小さい鏡を取り出すと、鏡を見ながら目からコンタクトを取り出した。

両目から青い色が現れた。


「風音はお母さんがイギリス人のハーフです。天然物の髪と目です。セカンドネームもあります。先生がたも含めて、よろしくお願いします」

少々のざわつきを残して終業式は終わった。

教室に戻っても、あの変身劇の話題で持ち切りだった。

「お前知ってたか?」

小野に聞いた。

「いや目薬さしてたからコンタクトなのは想像できたけど、あそこまではね」

惚れ直したわと小野が呟いた。