それから小野と一緒にいる風音を何度も見かけた。

笑う風音は可愛くて、あれをオレにも向けられていたものだった。

「風音と付き合ってんのか?」

「まだ。いずれはね。風音さんといると面白いんだよね。読書家だから色んなこと知ってるし、本で読んだことを実践したがったり、天然だったり、見てて飽きない」


小野は風音ととった写真を見せてくれた。

「気になるのか?」

「んなわけあるか、ただお前が真剣に女と付き合うのかって思うとおかしいと思っただけだ」

小野は女と付き合っても長い間続いたことがなかった。

それが誰かと特定の相手と付き合おうとしているのが信じられなかった。