「ちょ…あっ、」 「声、出すなら出せよ」 いとも簡単にわたしの中を掻き乱す彼。 わたしは歯を噛んで声を殺した。それでも抑え切れない快感に鳴咽に似た声や荒くなる呼吸。 「は、そそるねぇ、その小さな反抗」 こうして快楽に溺れる。 でもやっぱり事情後は妙な虚無感がわたしを襲うのだ。 それでも、わたしには彼が必要で。 彼でなくてはならないのだ。 それを何故だと問われると答えを出すのは極めて困難なのだけど、心も体も求めるのは彼一人で、この先何があってもそれは変わらないのだと思う。