受験生になった俺の目の前に突如現れた女、一葉。


どこで俺を見つけたのかは不明だが、ある日突然、話しかけて来た。


『先輩、チョコレート食べますかぁ?』


廊下ですれ違った初対面の俺に、いきなりチョコレートを差し出して来て…

それから毎日の様に放課後に俺の元へ押し掛けるようになった。


最初は鬱陶しくて仕方なくて、空返事ばかり。


毎日の様に通われる度に情が沸いてきて、心の中に新しい感情が芽生えた。


それは熱く、心が妬けるような気持ち。


俺らしくないけれど、“恋”という名の心情。


いつの間にか、染み付いたこの心情が、俺を変わらせた。