「あのさ」
ぶっきらぼうな声に聞き覚えがあった。
(そうか。一週間経ったから……)
あの図書委員だ。
「きみは」
「へ?」
「それだけ本よんでるのに、なんで文芸部に入らないんだ?」
「……。」
まだ6月だし、新入生は部活に仮入部だったり様子見でいる一年生も少なくはない。
でも、そんな誘い方があるだろうか。
咄嗟に返す言葉がなくて困っていると、更に聞かれた。
「なに部だ?」
「いえ、私は……」
「なんにも部?」
なんにも部という部はないが、なんの部にも入っていないナツメはうなずいた。
「……」
今度は図書委員が黙る番だった。
うーん……と、なにか考え込んでいる様子だ。難しい顔をしている。
というか、いつも難しい顔に見える。眉をはじめ、表情がきりっとしていて気の強そうな顔に見える。
はっきり言って、苦手なタイプだ。見た目で判断しているようで、申し訳ないけれど。
「あの……もう帰ります……」
「あ? ああ。」
そうしてその日は、逃げるように図書室を出た。
ぶっきらぼうな声に聞き覚えがあった。
(そうか。一週間経ったから……)
あの図書委員だ。
「きみは」
「へ?」
「それだけ本よんでるのに、なんで文芸部に入らないんだ?」
「……。」
まだ6月だし、新入生は部活に仮入部だったり様子見でいる一年生も少なくはない。
でも、そんな誘い方があるだろうか。
咄嗟に返す言葉がなくて困っていると、更に聞かれた。
「なに部だ?」
「いえ、私は……」
「なんにも部?」
なんにも部という部はないが、なんの部にも入っていないナツメはうなずいた。
「……」
今度は図書委員が黙る番だった。
うーん……と、なにか考え込んでいる様子だ。難しい顔をしている。
というか、いつも難しい顔に見える。眉をはじめ、表情がきりっとしていて気の強そうな顔に見える。
はっきり言って、苦手なタイプだ。見た目で判断しているようで、申し訳ないけれど。
「あの……もう帰ります……」
「あ? ああ。」
そうしてその日は、逃げるように図書室を出た。

