「なにやってんの。」
あたしの左隣からは
透き通った低い声が響く。
「先行っていいよ。」
「なに?梨どれにするか迷ってんの?」
聞いてないんか。人の話!
「いいでしょなんでも!」
そう言ってまた今朝みたいな
大きな声で叫んでしまいました。
そしてその叫んだ相手も
今朝の相手と一緒。野上くんだった。
「明花...。あんたまた...。」
「ほんとバカだなお前」
そう言って2人はくすくす笑っている。
トクン―――――――――――
野上くんって...笑顔あんなに...。
って、あたしなに考えてんだろ。
「早くしにゃ、お昼の休み終わっちまうよ?」
白い白衣のおばちゃんが
顔を皺くちゃにして笑って言った。
そんな笑った顔を見ていたら、
すぐ選ばなきゃって思って
「ありがとう、おばちゃん!」
そう言って空いている席に向かった。

