なんだかんだで、 やっぱつまんなかったんじゃん。 海に入って 水掛け合いっこする野上くんを見て、 あたしはそう思った。 「キャぁッ。いたっ...。」 うっ...。かっこ悪っ...。 あたしは水の掛け合いっこに 夢中になりすぎて、 足元に目線を落としていなかったために すってんころりん。 転んでしまった。 「明花っ!」 ちょうど転んださきにあった石で、 腕をすりむいてしまったあたしに 弘斗が咄嗟に駆け寄ってくれた。