廊下って…。長い。
食堂を出てから
まだ1分も経ってないのに...
澪は保健室で寝てるし、
野上くんと2人でかなり気まずい。
なんで?
「あのさ、さっきの。」
「へ?あ、あぁ、弘斗の...?」
「うん。その…お前は、その…」
「え?」
あたしの耳が遠いのか、
野上くんの声が小さいのか、
なにも聞こえない。
「あいつと、付き合ってんのか?」
その質問をしている野上くんは、
顔をリンゴみたいにして
歯をかみしめて、
手を強く握っていて...。
なにより、
寂しそうな顔と、真剣な顔が
なぜかあたしには微笑ましかった。

