あたし、初めて人に
自分の好きな人を教えた。
初恋は小6。
みんなもうずっと前から
『恋』というものを知っていて、
恋話は女の子たちの定番だった。
でもあたしにはまだ
『恋』というのがわからなくて...
友達の話しに
なんとなく相槌で頷くことしかできなかった。
でも、あたしは恋を覚えた。
恋ってこうゆうもんなんだ
ってやっと分かったけど...
みんなに対して、あたしの初恋の遅さに
ちょっとむなしくなった。
だから恥ずかしくって、
誰にもこの気持ちを伝えられなくて、
支えてくれる人もいなくて。
告白なんてできないまんま、
あたしの初恋は終止符を打った。
だから今、澪が傍にいてくれるだけで、
なんか涙が出ちゃうほど嬉しい。
恋は楽しいものだと、
野上くんが教えてくれた。
でもね、実際、
楽しいことだけじゃなかったんだよ...

