甘々果汁BABY








てっきり声をあげて驚くのだろう、
と思っていたんだけど



「知ってるよ。」


「へ?」




驚かすほうがまぬけな声を出してしまった。




「野上でしょ?」


「……。」


頬を赤らめるあたしに
なんのためらいもなく背中を叩いてくる。


「あんた鈍感だからねー、気づくのが遅いんだよ。」



「えっ、じゃあ、あたしよりも先に気づいてたってこと?!」



「親友じゃなくても分かりそうだけどね。」




どんだけ分かりやすいんだあたしゃ…。



「そうとなれば、アピアピしなきゃね?」


「無理無理無理無理」


「ダメ。強制!」



恋に関しては消極的なあたしが、
アピールできるわけがない。



ましてやモテ男に...。




これからどうなるものか。
誰が予想できたものでしょうか。