しばらく経って、
驚きで閉じていた目を開いた。
未だに弘斗の腕は
あたしから離れない……。
野次馬も増えるばかり。
でも……。
そこには
「やっ…!」
まぎれもなく
野上くんの顔が見えたから、
無理やり弘斗の腕をどけてしまった。
でも、野上くんは
逃げるように去って行ってしまった。
「旭か…?」
「...ごめん。やっぱりあたしは、野上くんが好きなの。」
あたしが真っ直ぐ見つめると、
弘斗は切なくニコッと笑って
「それは...旭の前で言って来い。」
「弘斗…。」
あたしはうなずいて、
弘斗の元を離れて走った。

