それから 他愛のない話で盛り上がったのは あたしと弘斗と澪の3人だけ。 すると急に野上くんが 「俺、気分わりーから部屋戻るわ。」 と言って、水を飲み干した。 「大丈夫…?」 あたしの言葉には応じず、 そのまま食事場の出口へ向かった。 でももう1回こちらに戻ってきて、 「忘れもの。」 そう言って野上くんは あたしの耳に口を近づけて、 右手を添えた。 内緒話をする形になった。 微かに野上君の口元が動いて、 透き通った声があたしの耳に伝わった。