夏美は黙ったまま静かに僕の隣に座り、優しい口調で言った。

「そのしおりね、お母さんが唯一、あおいに残したものなの。あおいの母親も絵が好きでね、そのしおりにかかれてる花はアスターって言ってね。花言葉は私の愛はあなたよりも深いって意味があるの。それをあおいがあなたに渡したのよ、その意味わかる?」

僕は黙っていた。

「あおいは1番大事なものとあなたへの思いをあなたにおいていったの。だからあおいはあなたのもとへ必ず帰ってくるよ」

そう言うと夏美は僕の肩をポンと叩き、笑顔で「じゃあ、明日学校でね」と言って、帰って行った。