夏美たちはすぐにやってきた。僕とあおいは夏美たちがくるまえにお互いの番号とアドレスを交換した。

かけることのできなかった番号を僕はようやく手に入れることができた。

夏美たちもさすがに疲れた表情をしていた。「ほんと、自分のペースで歩けないって疲れるわ」と夏美がぼやいた。

雅は夏美の言葉に相槌をうつばかり。まるでお嬢様と召し使いみたいだ。

あおいが「もう、帰らないといけない」と言い出したので解散することにした。

帰りのバスの中、雅がはじめて僕に相談してきた。「俺、夏美が好きなんだ」って。そんなことは見てたらわかる。「協力してくれるよな」

「もう告白したら?」というと雅は首をしめてきた。「俺は繊細なんだ。そんな簡単に告白できるか」と言った。

雅の「俺は」、は、きにいらないが出来るだけ協力するよっと言った。ただ相手は夏美だから、協力するにも近すぎて何をしていいのかわからないが。