もう無理。


清水くんに話し掛けられない。


きらり目当てが確実になっていくな。


そんなに邪魔にしなくてもいいじゃない。


今日、きらり連れて来たの私なんだから。


待ち合わせ時間などの打ち合わせメールでした時も、あいさつと用件のみで、世間話すらなかったけど。


きらり、これでもきらり目当てじゃないって言うの。

きらりを見ると、目は猫目、口元は上がっていて、笑いたいのを我慢してる感じ。


なに?


「きらりどうしたの?」


小声で聞いてみる。


「いい。
いいよ、清水。
もう、良すぎるね、テニスコートの王子様。
いやー、こんなに楽しくなるなんて思ってなかったよ。
やばいよ、奈津美。
私萌えだよ。
萌え萌えだよ。
奈津美、今日は楽しくなりそう。
奈津美は、今日告白するんでしょう?
そんな事したら、…ぷっぷぷぷ…………。」


もしもし、きらりさん、どうしました?


笑いこらえて、こらえきれないって感じで、笑い出すきらり。