「おい、用意できたか?」


ノックもなしにドアが開き、ズカズカ部屋に入ってくる正兄。


「お、やっぱいいじゃねーか。」


「ねぇ、本当にこれでいくの?
太ってるのが隠せないよ。」


ふといのまるわかり状態なんだけど。


「まさか、デブが隠れるとおもってんのか?
デブはデブだろ。」


正兄、きついよ。


脱いで、違うの着ようかな。


「でも、安心しろ奈津美。
お前はデブはデブでも、ムッチリだ。」


正兄、それなにかフォローのつもり?


ムッチリって。


告白する前なのに、心が折れそう。


「ほら、行くぞ、駅まで乗せてってやる。」


あぁ行きたくない。