「奈津美のおかげでいじめなくなったのに、うれしいはずなのにうれしくなかった。
いじめしてるのが最低で、私は悪くないって思ってた。
でも奈津美はいじめられない。
じゃあ、悪いのは私なのって。
私が悪いからいじめられた。
そう思えてしかたなかった。」


そんなこと考えていたなんて、全然知らなかった。


「そんな自分を変えたくて、前からスカウト受けてたモデル事務所に入って、いろいろ挑戦してみた。
そんな顔しないでよ奈津美。
いじめがなくなったのも、今モデルしてるのも奈津美のおかげなんだから。
笑ってよ。
私は奈津美が大好きなんだから。」


「うん、私も大好き。」


泣きそうになっているであろう顔で、無理矢理笑う。


「うわ、気持ち悪い。」


「はっ?」


ドアに正兄。


いつから?