動けない私を見て、兄達はケイタイを覗いて表示されてる名前をみる。


「こいつか好きなやつって。」


うなずくと正兄が私の手からケイタイをとった。


「えっ。」


驚いていると、正兄がケイタイを私の耳にあてる。


「もしもし」


清水くんの声。


正兄〜、なにするの。


「もしもし」


また清水くんの声。


これって、もう電話でるしかないの。


私は気持ちが定まらないまま電話にでた。


「もしもし」


「小瀬さん、急に電話してごめんね。
今いいかな?」


いいけど、この声は。


正兄〜、スピーカーにしたのー。


兄達に話聞かれてるよー。

「もしもし、聞こえてる」


「う、うん、大丈夫」


「昨日は間に合った?
急いで帰ったけど」


「うん、間に合ったよ」


だって、用事なんてないもの。


ただ逃げ出す口実。


「そうか、よかったよ
それで、昨日話した事なんだけど、一週間後の日曜日に遊園地なんかどうかな?」


「遊園地?」


「そう、どうかな?」


目の前の正兄が手でOKサインをだしてる。


行けって事か。