「清水くん、もう認めてよ。
付き合ってたでしょう。」


俺に必死に言ってくる沢井。


なんだかバカバカしくなってきた。


なんで俺はここにいるんだろう。


こんなバカ話聞いて、奈津美に悲しい顔させて。


「奈津美行こう。」


俺は奈津美の手を引いて立ち上がる。


「え、ちょっと、幸治くん。」


とめようとする奈津美を無理やり引っ張り、ファミレスを出る。






「待って、待ってってば、ねぇ、幸治くん。」


なんだよあれは。


あんなの沢井の姉が勝手にやってるだけじゃないか。


「幸治くん、聞いて。」

なんで、俺と奈津美が巻き込まれなきゃならないんだ。


「幸治くんってば。」


奈津美は泣いたんだ。


こんなバカバカしい事でなんで奈津美は泣かなければいけないんだ。


「幸治くんのバカ。」


えっ、『バカ』?


思わず足が止まる。


「ハァハァ話ハァ聞いてよ。
な、なんでハァ出てきたの。」


走ったせいか、息継ぎしながらのとぎれとぎれの言葉。


「あんな所に居たくなかった。
うそばっかりだ。
沢井の姉が勝手に言ってるだけだろ。
なんで付き合わなきゃならないんだ。」