なんで奈津美がいるんだ?


皆川さんを見れば少し困った顔をしてる。


「あー、出てきちゃったかー。
まあ、こんな話ししてたら黙って聞いてはいられないか。」


皆川さんは立ち上がり、奈津美を俺の隣に座らせる。


「ごめんなさい。」


奈津美の小さな声。


俺の方を見もしないで。

横顔を見れば、目のふちが赤い。


泣いていたのか?




「奈津美?」


なんで俺を見ない?


「ごめんなさい。」


さっきからどうして謝るんだ?


うつむいていて、奈津美の表情がわからない。


「奈津美が謝ることなんてないよ。
盗み聞きみたいになっちゃったのを気にしてるの?
清水くんには奈津美は学校へ行ってるってうそついたけど、迷惑かけられてるんだから、何がどうなってるか知りたいなんて当たり前だって。」


皆川さんは、慰めるように軽く肩をたたく。


え、えーと、つまり、奈津美は学校へ行ってるとうそついて、話を聞いてたって事だよな。