「俺は奈津美しか好きになった人はいない。
お前の姉なんて知らない。
……恋人だと。
俺の恋人は奈津美だけだ。」


「ひどい。
そんなの、お姉ちゃんは、お姉ちゃんは…。」


目の前で泣き出す沢井。


勝手にしろ。


こんな女相手に出来ない。


「はぁ。
ちょっとあんた落ち着きなさいよ。
顔恐すぎ。
あんたが奈津美だけなのはわかってるから。
うーん、でもこの人がうそ泣きしてるとも思えないのよねぇ。」



「うそなんてついてません。」



泣きながらもはっきりと言う沢井。


たしかにうそついてるようには見えないが


うそをついてるのは事実。



「うるせーよ。
お前なんなんだよ。」


目の前で泣いてる沢井、こいつはいったい何がしたいんだ。




「幸治くん。」



えっ?


奈津美の声?


俺たちの席から少し離れた席で、観葉植物のわきに奈津美が立っていた。