「誰よ。」


誰って、皆川さん俺も知りたいよ。


「知らない。」


まったく記憶にない。


「なんで知らないふりするんですか?」


はぁ?


「何言ってんだ沢井、お前の姉なんて知るわけないだろう。」


「そんな。
この人がいるからですか?
だから知らないふりするんですか?
おかしいと思ってたんです。
あの小瀬って人が彼女って。
あんな人が彼女だなんて。
この人が本命なんですね。」


皆川さんをにらみつける沢井。





いったいなんなんだこの女。


奈津美を『あんな人』だと。


奈津美を……。




「たとえ今の本命の前だって、姉を知らないって、ひど過ぎます。
あんなに愛し合ってた恋人だったじゃないですか。
そんなに簡単に忘れられるわけない。
そうでしょう?
清水くんだって本当は姉の事を「うるせー、黙れ。」



ふざけんな。


わけわかんない事いいやがって。


俺が愛してるのは奈津美だけだ。