『それで、沢井なんて言ってたんだ?』


『あー、あったまにくるあの女。』


突然の大声に耳が痛くなる。


『あの女、なんなのよ。
まさか、あんたの昔の女とかいうんじゃないでしょうね。
学校の帰り待ち伏せして、奈津美に言いたいこと言って、釣り合ってないとかテニスの邪魔とか。
無視すればいいのに、奈津美も優しいから聞いちゃうのよね。
あの女、私なら釣り合うのよって言う態度だったわよ。
あんたね、なんとかしなさいよ。
奈津美に迷惑かけんじゃないわよ。』


耳が痛い。


怒りのためか声がデカすぎる。


『昔の女ではない……と思う。』


『ナニソレ?
わかんない訳?
うわ、最低。
ほんっとに、なんで奈津美あんたの事好きなのよ。
奈津美が好きじゃなきゃ思いっきり邪魔できるのに。』


『これから死ぬまでは奈津美ひとすじだぞ。』


『そんな事わかってるわよ。
ほんと病的に奈津美好きだもんね。
なんで奈津美が気づかないか不思議よ。
役に立てないなんて奈津美が悩むことまったくないのに。
奈津美がいるだけであんた満足だもんね。』


まぁ、その通りなんだが。