「ちょっと、待って。」


奈津美がキスを止めて欲しくて、胸をおしてくる。


弱い力。


そんなんじゃ、止まれない。


あぁ、もっと。


もっと奈津美を感じたい。

奈津美と抱き合いたい。


でも奈津美が許してくれなくては先には進めない。


俺はただ優しいキスを繰り返す。


「奈津美が好きだよ。」


「奈津美、なつぐうぅ。」


奈津美の手が俺の口をふさぐ。


「ちょっと待って。
答合わせ、答合わせして。」


口をふさいでいた手を両手で握って下におろす。


「何が?」


「なんでこうなったの?」


「俺とキスするの嫌だった?」


「そんなの……嫌な訳ないじゃない…………意地…悪。」


恥ずかしそうに、どんどん小さくなる声。



可愛すぎるよ奈津美。


「答合わせな。
奈津美、沢井に言われて昨日泣いたんじゃないか?
沢井の言葉で心がゆらいだんじゃないか?
俺の気持ち奈津美に届いてる?
俺の事信じてる?」


「あっ、え?」


「誰が何を言おうと、俺には奈津美だけ。
テニスなんてどうでもいい。
沢井の、他のやつの言葉でゆれないで。」


俺の言葉だけ聞いてくれ。