小瀬への手紙には、俺の思いは書けなかった。


また、返事をくれないようになったら。


たった一つの、手紙しかないつながりが、無くなるかもしれない。





俺は怖かった。





でも卒業式が近づき、高校が別れてしまう俺には、たった一つの手紙もなくなってしまった。


これで終わりなのか。


小瀬はどうするのだろう。


高校で彼氏が出来るかもしれない。


彼氏どころか、適齢期になってそのうちに結婚して、夫の子供を産んで育てていくんだろう。





………許さない。





絶対に認めない。





想像するだけで、心が悲鳴をあげる。





小瀬……、奈津美の相手は俺だけだ。





奈津美の彼氏は俺だ。


奈津美の夫は俺じゃなきゃだめなんだ。





俺は奈津美に告白する事を決意した。