あれから、毎日小瀬を見ていた。


見てるだけ。


話す事も、触れる事も出来ない。


すべて自分で出来なくしてしまった。


遠くから、いつも男に囲まれている小瀬をただ見ていた。


声を聞きたい。


それだけのために近くを意味なく通った。


かすかに聞こえる声に、心臓が高鳴った。









『小瀬いいよなぁ。』


『あっ、わかるわかる。
俺も痩せすぎな女嫌。』


『ダイエットダイエットって、痩せて何がいいのかわかんねー。
小瀬ぐらいのがいいよなぁ。
肉感的?セクシー?
何て言うかわかんないけどさ。』


『俺ならムッチリって呼ぶよ。
あのムッチリ感たまんないよ。』







男たちに噂される小瀬。


ムカついた。


でも、彼氏でもない俺には何も言う資格はなかった。

辛かった。


何も出来ない俺。


話せない俺には、彼氏になれる未来など、あるはずもなかった。