「なるほどね。
なんでムカつくか教えてやるよ。
それ嫉妬って言うんだぜ。」


「は?
何言ってんだ?
嫉妬?
まるで俺がその子の事好きみたいじゃ………あっ。」


うそだろ。


俺好きなのか?


「気づいたみたいだな。
俺部活先に行ってるから、先輩達には遅れるって言っとくな。」


英二の後ろ姿を見送る。


好きって。


話した事もないのに。


手紙で好きになるって、俺何してんだ?


だってこんな気持ち初めてたぞ。


あれ?


もしかして初恋か。


初恋って。


さんざん女抱いといて、初恋って。


バカ?


俺、バカか?


なにしてんだ。


考えがまとまらない。


とにかく部活に行こう。


俺はフラフラと廊下へ出る。


廊下に出たら、反対側から小瀬が、こっちに歩いて来る。


うわ、小瀬だ。


こっちくる。


どうすればいいんだ。


パニックになっている俺の横を、男と楽しそうに話しながら小瀬は通りすぎた。


俺を一度も見ずに。


イライラした。


小瀬は、手紙の相手が俺だと知ってるはずなのに。