中学になると女たちは離れていった。


小学生と言うブランドが大切だったのだろう。


それでも、俺の周りは女達がいた。


『ファンなんです。』


『付き合って下さい。』


『セフレでもかまいません。』


いろんな女達。


俺は適当に遊んでいた。


そして学校に、いつの間にか親衛隊が出来ていた。


『私たち、純粋にテニスを頑張ってほしくて。』


なんだそれは。


バカにしていたが、親衛隊が管理してるのか、告白する女もラブレター減り、ファンを名乗る迷惑女達もいなくなり、学校生活が楽になった。


俺は親衛隊を区別して愛想を振りまき、利用する事にした。


そんな中、俺は偶然捨てられた花壇を見つけた。


俺のうちは花であふれている。


母が好きで、父が用意している。


花であふれる、父と母と兄と姉の暖かい家庭。


俺の居場所はない。


校庭で綺麗に手入れされてる花壇。


学校裏で忘れられ捨てられた花壇。


なぜか、無視出来なかった。


今思えば、自分に重ねていたのかもしれない。


俺は一人で花壇の手入れをはじめた。