「どうせデブですよ。」


もう、正兄のバカ。


「はぁ。
この、お子様め、ほんとバカ。」


なによ、その哀れんだ目は。


「俺が言いたいのはな。
あー、まっ、いっか。
奈津美はそのままで。」


なにやら一人で納得して、冷蔵庫からミネラルウォーターを飲みはじめる。


ちょっと、私無視なの。


「ちょっと何無視してるのよ。」


なんなのよ、もう。


「奈津美。」


呼ばれて振り返れば、そこには、風呂上がりの幸治くん。


濡れた髪。


ほんのり赤みのさした顔。

色っぽい。


色っぽすぎませんか?


「なに?」


黙って見つめる私に言ってるのはわかるけど、言葉に出来ない。


「そんなに見つめるなら、料金とるよ。」


クスクス笑いながら近づいてくる。


「料金はキスな。」


私だけに聞こえるように、小さな声。


もうダメ。


私心臓止まりそう。


幸治くんと付き合う限り、ずっとこんな感じなのかな。


私体もつかな?







end