ヤキモチって可愛い?


ウザくない?


重くない?


いまさらどうしようもない過去にヤキモチ焼く彼女なんて。


嫌にならない?


「嫌じゃないの?」


「俺が奈津美を嫌になる事なんて、絶対ないから。」



「過去の事言って、ウザくない?」


「過去にヤキモチだろ。
ウザい所か、奈津美が愛しくてたまらない。」


頭を押さえていた手が動き、優しく頭をなでていく。


「奈津美、大好きだ。
今までの事はなんて言っていいかわからない。
これからは奈津美だけだから、信じて。」


『信じて』か。


愛がなくても、女の子とそういう事が出来てしまう幸治くん。


それが嫌でたまらないけど、幸治くんと付き合って行きたい私。


結局これって、幸治くんを信じるか信じられないかの問題になるのかな。


それなら、そんなの簡単。


「信じるよ。」





あれ、また返事がない。


頭をなでる手は止まっている。





「………ありがとう。」





小さな、小さな声。


体が微かに震えてる。