「おぉ、そうだそうだ竜の言う通り。
清水に今思ってる事言ってやれ。
大嫌いって言ってもいいぞ。
奈津美いいか、その時のポイントは抱き着く事と小声だぞ。」


よくわからない事を言われて、リビングを出て部屋に向かう。


正兄の言う事も、竜兄の言う事もイマイチわかんなかったけど、幸治くんに気持ちを伝える決心だけはついた。


よし、がんばってみよう。

……抱き着ついて小声も、まぁ、うん、とりあえず、やってみよう。





「お待たせ。」


部屋に戻ると、幸治くんは正座して待っていた。


「はい、コーヒーどうぞ。」

コーヒーを置いて向かいに座る。


「ありがとう。」


ミルクと砂糖を入れずに飲む幸治くん。


ブラックなんだな。


私も一口ホットミルクを飲む。


……ぬるい。


「ごめん、ぬるかったよね。
入れ直してくるね。」


「いいから、ここにいてくれよ。」


立とうとした私を、幸治くんがとめる。


「……幸治くん。」


「奈津美話そう。」


「うっ、うん。」


うまく言葉に出来ないけど、がんばって話してみよう。