告白

｢あぁ？
まさか童貞と処女しか認めないとか言うなよ。｣


そんな事、私が言う訳ないじゃない。


｢正兄、そんな事あるわけないだろう。｣


ありがとう、竜兄。


そう、あるわけない。


うちは再婚夫婦家庭。


そんな事言ったら、うちの家庭を完全否定する事。


｢うん、竜兄の言う通りそんな事あるわけないよ。｣


｢じゃ、なんなんだよ。｣


｢ちょっと待ってよ正兄は。
認める認めないとか別にして、奈津美の気持ちは？
うちの家族の事は気にしないで。｣


気持ち？


家族を考えなくていいなら。


｢いや、……だと思う。
過去だって分かってるし、今さらどうにも出来ない事。
幸治くんも、悪くないのに謝ってくれた。
でも、なんかいやなの。｣


うまく言葉に出来ない。


｢誘われ気持ちのないのに関係を持ったのが嫌なのかな？
じぁさ、すごい愛してた彼女がいて、もう結婚したいと思ってるぐらいさ。
その子といっぱい経験してるとしたら？｣


竜兄の言葉を聞いてるだけで、胸が痛い。


幸治くんに、愛してた元カノがいる。


胸が苦しい。


｢竜兄それもいやみたい。｣

私どうしたいんだろう？