リビングへ行くと、正兄と竜兄がソファーに座ってテレビを見ていた。


「どうしたの?」


「竜兄、コーヒーいれてくれる?」


「あぁ、じゃあ奈津美にはホットミルクにしてあげるね。
部屋まで持っていくか?」


竜兄がキッチンに立つ。


「ううん、待ってる。」


ソファーに座り、テレビをぼんやりと見る。


「奈津美、なんだそのしけた顔は。
早く言え。」


「何よ正兄。」


「何考えてんだ?
バカなんだから悩むなよ。
早く言え。
それとも無理矢理がいいか?」


なんでこんなにいつもバレバレなの?


私って、悩んでるって顔に書いてあるの。


「早く言わなきゃ、俺何すっかわかんねーぞ。」


うわ、コワ。


「話す。
話します。」


「早く言え。」


「えーと、なんて言えばいいのか。
あっあのさ、正兄って、女の人とどのくらい経験あるの?」


「はぁー?」


うわー、目つき怖い。


「兄貴の女遍歴マジで知りてーのか?」


「すいません、知りたくありません。」


あー、聞き方間違った。


「何が聞きてーんだ。」


本当、私何が聞きたいんだろう。