とにかく考える時間がほしい。


「コーヒー持ってくるね。」

ベットから立ち上がると、幸治くんの瞳が不安そうに揺れる。


「コーヒーいれてくるだけだから。」


ドアを開けて廊下にでる。

「はぁー。」


思わずため息がでてしまう。


気になる事は、女の人。


きっと、ファーストキスなんてとっくに終わってるよね。


キスなんて話じゃなくて、最後まで経験してる。


それも、あの土下座を見れば相手は一人二人じゃない。


誘われたって言ってたな。


幸治くんを誘うんだから、きっと自分に自信のある美人さんなんだろうな。


胸が痛い。


なんでなんだろう?


あんなにかっこいい人、女の人がほっとく訳ないじゃない。


幸治くんはうそつかないで、正直に話してくれてる。


私と付き合う前の事。


頭ではわかってる。


わかってるはずなのに。


なんだろうこの気持ちは?


幸治くんに悪い所ある?


彼女じゃないのに、そういう事したこと?


ううん、幸治くんと相手の女の人が納得してるなら、幸治くん悪くないよね。


なのに、なんでこんなに嫌な気分なんだろう。