「………奈津美、奈津美。」

肩を叩かれ、はっとする。

「奈津美、なにぼーとしてんの。
清水、部室行っちゃったよ。
行かないの?」


告白の決意をしてる間に、中学最後の部活、下級生による『三年生を送る会』、通称『追い出し大会』が終わっていた。



あー、しまった!



高校別だから、もうこんな近くで見る機会ないのに、告白するのに気をとられて、ぼーとしてしまった。



「……ちょっと、奈津美大丈夫?」


ぼーとしている私を心配して、親友の皆川 きらりが声をかける。


「大丈夫、ごめん、ぼーとしちゃった。」


「それはいいけど、どうするの?
清水追い掛けて部室行く?」


きらりがファンの群がる部室前を指さす。


「今日はいいよ。
今から行っても、清水くんじゃなくて、ファンの頭しか見れないし。」


すごい人だかりにため息しかでない。


「しかし、清水人気はすごいねー。」