「えっとね。」


「なんでも言って。」


「うん、あっあのね。
幸治くんは、……ファーストキスいつなのかなーって。
彼女何人いたのかな、なんて。」


無理矢理笑顔で、明るく聞いてみた。


「うーん、そうだなー。」


考え始めた幸治くん。


考える事ある?


たくさん彼女いて、何人いたか数えてるとか?


「そんな心配そうな顔しないで。
彼女はいないよ。
奈津美が初カノで最後。
結婚するから覚悟して。
それから、ファーストキスなんだけど。」


また考えてる。


なんで?


「奈津美とファーストキスした事にしていい?」


「はい?」


意味わかんないんですけど?


「えーと、ファーストキスは最初にキスした事でしょう?」


自分で決めるもんではないのでは?


「うーん、でもキスしたって思えるの今奈津美としたキスなんだけど。
だめかな?」


イヤイヤイヤ、話おかしいよね?


「幸治くん、彼女いないのに、キスはしてるって、よくわからないんだけど?」


「うん、そうだよな。
俺、奈津美に嘘はつきたくない。
だから正直に言うよ。」


幸治くんがベッドからおりる。


なっなに?