何それ?


抱きしめている竜兄を振りほどく。


「幸治くんに失礼でしょう。」


何言ってるの、うちの兄二人。


「奈津美いいから。」


「よくないよ幸治くん。
ごめんなさい、兄たちが失礼な事を。」


本当に、どうしたんだろう?


幸治くんとの事は、告白するって知っているのに。


一緒に服まで買いに行ってくれたのに。


「応援してくれたんじゃないの?」


「もちろん、奈津美を応援するよ。
奈津美がしたい事は協力する。
奈津美が幸せになるならね。
でもね、清水くんが奈津美を幸せにするかはこれからなんだ。
これから、見ていくから。
もし、清水くんが奈津美を幸せにしないなら、応援はしないよ。」


竜兄、そんなふうに思ってくれていたんだ。


ありがとう、竜兄。


「そん時は、奈津美が泣いても別れさす。」


正兄、なんかありがとうと思いたくない。


「わかりました。
俺、絶対幸せにします。
お兄さんたちに認めてもらえるように頑張ります。」


正兄と竜兄に向かって、はっきり言う幸治くん。


かっこいい。


もう今日ずっとかっこいいって思ってるな私。