コツンとおでこになにかがあたった。


目を開ければ、清水くんの顔のアップ。


びっくりして顔をそむけたいのに、清水くんがそれを許さない。


両手で固定され、顔を動かす事が出来ない。


清水くんの綺麗な顔が。


堪えられない。


慌てて、私はまた目をつぶった。


鼻にも軽くなにかがあたる。


おでこにはあたってるまま。


これ、おでことおでこがあたってるんだよね。


じゃ、鼻にあたってるのも鼻?


「早くして。」


小さくつぶやいた、息が唇にあたる。


その感触に、体が震える。

清水くんの唇と私の唇は、きっと1センチも離れてない。


唇が微かに震える。


こんなふうにされたら、余計に話せないよ清水くん。

「早くしないと、どうなっても知らないよ。」


なに?


もしかして、キス?


意識してしまい、唇が動かせない。


話せないよ清水くん。






ーピンポンパンポーンー


『迷子のお知らせです。
青いトレーナーに黒のズボン。
青山太一くん三才が……。』


迷子?


あ、ここ遊園地だった。


落ち着いてみると、音楽や人の声が聞こえてくる。